さ　か　な　は　か　わ　に　す　ん　で　い　る　け　れ　ど　、　か　わ　の　お　お　き　な　す　が　た　は　み　え　な　い　の　だ　　　　　よ　し　か　わ　　え　い　じ

魚は河に棲んでいるけれど、河の大きな相は見えないのだ。

吉川英治

吉川英治の小説『親鸞』の中で、比叡山座主の慈円が、若き日の親鸞に与えた言葉として出てくる。

魚に河が見えないように、世間に生きている人には世間が見えていないという。

自分のおかれている場所は、離れてみるとよく認識できるのである。

（１８９２〜１９６２　昭和時代の小説家）

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